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肥料・農薬・堆肥をつかわず作物栽培する

No input cultivation System

presented by Yoshima Farm

無肥料自然栽培 簡単な説明 brief description

なぜ 無肥料 無農薬 無堆肥 なのか?


無肥料自然栽培 概略説明

  1. 現代農業の安全性と永続性への疑問

    • 食の安全性からみる
    • 環境汚染
    • 永続性への疑問

  2. 無肥料栽培への転換

    • 肥毒というみかた
    • 肥料を入れなくて育つのか?

  3. 無肥料自然栽培での工夫

  4. 無肥料自然栽培の特徴

    • 良い特徴
    • 欠点 難しさ
    • スマートな姿に
    • 本来の味








現代農業の 安全性と永続性への疑問


食の安全性からみる


■化学肥料・農薬の害・・・なるべく避けたいですね。

有機農産物については?

  • 硝酸態窒素の問題・・・無農薬でも、野菜に硝酸態窒素が多いと、人に害になる(ヘモグロビン血症、発ガン性物質の生成。有機肥料でも同じことが起こる場合がある)

  • 有機肥料の原料のなかには・・・原料の質が問題に・・・化学物質過敏症では、無農薬でも病状が悪化する場合がある。市販の有機肥料には肉骨粉が多く使われている(ヨーロッパで狂牛病が発生したときの肉骨粉の多くが日本へ肥料という形で輸入されていた)。

  • 特に未熟な畜産堆肥は不安

    ・・・できれば使用しない。もし利用するときは、無害化する工夫が大切

    • 窒素過剰・・・硝酸態窒素の過剰蓄積を生みやすい
    • 薬害と耐性菌・・・飼育時の抗生物質・ホルモン剤などの残留
    • 塩分蓄積・・・糞尿中の塩分。過剰になれば、砂漠化と同じことに
    • 外来雑草種子による地域生態系の破壊・・・輸入飼料の中にある

    環境汚染
    • 堆肥・肥料過多(長年施用)によって、余剰窒素の地下水汚染、河川の富栄養化。
            (化学肥料はもちろん、有機肥料も多すぎては問題になること)    
    • 自然生態系への影響・・・帰化植物、外来天敵昆虫などによる


    永続性への疑問

    【輸入がストップした時に継続できなくなる日本の有機農法】

    有機物資源の争奪戦は、すでにはじまっているのではないか
    特に低い有機肥料自給率の問題・・・肥料依存の農業は、これからも続きますか? 


    • 堆肥(家畜糞尿)・・・日本の家畜が育つ飼料は70%が輸入飼料=堆肥自給率30%。
    • 堆肥(自然の草など)・・・もし、農家全てが有機農法を行ったら、絶対量が不足。
    • 有機肥料の主原料(油粕)・・・国内生産量 2.3%。有機肥料の原料のほとんどが輸入品
    • 化学肥料資源も、おなじく輸入依存・・・世界的鉱物資源(肥料のもと)の枯渇が問題





    無肥料栽培への転換

    病虫害、土壌の悪化の原因は、これまで入れ続けてきた肥料の過剰蓄積であることに気づきました。土壌要素バランスを追求しても、自然界からみたバランスとはかけ離れているのではないか。



    1・肥毒(ひどく)という見方    

    ・・・化学肥料も有機肥料も同じく害になる


    本来、土は、植物(作物)を十分に育てることができる機能をもつ。

    ■今までの農業は、「植物を育てるのには肥料が必要」だとして、肥料を施してきました。その結果、土のもつ本来の力(機能)が失われれてきました=肥毒。

    ■土壌の力(肥料の消化能力)以上の量の肥料を入れると、病虫害の原因となる=肥毒。


    無肥料栽培に転換してから数年は、土壌にある残留肥料の影響を多く受けます。その影響が少なくなるほど、無肥料栽培らしい作物の生育になってきます。


    2・肥料を入れなくて、育つのか?

     この栽培は、土の力を生かす方法です。
    土がもつ機能が最大限に発揮できる状態になると、人が肥料を入れる必要がなくなります。それでも収量があり、高品質な農産物が収穫できるようになります。

    施肥栽培では、肥料の力で栽培します。 無肥料栽培では、肥料の力はなく、土の力だけに依存することになります。土は、エネルギー体を授受し作物へ伝搬する働きをもちます。

    単純に無肥料にすればすぐに施肥栽培と同じような収穫ができるということはあまりありません。できるようになるためには土に溜まった、残留肥料や異物となるものをできるだけ除くと同時に、土そのものの力をつけていきます(土壌学的には土壌のCECの向上)。また、実際の栽培に携わる人の繊細な技量や自然を見る目が重要になってきます。




    ※例えば、窒素固定菌・・・

    施肥条件では増殖が少ないが、無施肥条件で増殖率が高くなる傾向にあります。


    (人が肥料を入続けるのか・・それに代わって自然界の微生物が養分供給の助けをしはじめるのかの違い)

    そして本来、植物には、

    ●不足する養分を自ら作り出す能力が秘められているそうです
    ●元素転換がおきているのかもしれない・・・・



    無肥料栽培での工夫


    ・・・すぐに結果がでることはないから(露地で3~5年、ハウスは7年以上)

  • 障害となっている肥料(肥毒)が残っているとき・・・解毒作用として一時的に多く病虫害がでたり、生育が止まることがあります。

    (これは麻薬中毒のようなもので、まさしく土が肥料中毒にかかっているようなもの。この一時的な現象はまさしく、禁断症状です。けれども、それを乗り越えると、本当の土の活力が生まれてきます。)

  • 作物にあった土壌になるように・・・

    肥毒がなくても、作物にあった土壌になることが大切。

    例えば、森は豊かな土壌ですが、野菜は育たない=木を育てるのが上手な土壌だから。野菜づくりの畑は、野菜作りが上手な土壌になる必要がある。自然の原野とは違う。

    • 環境作りの大切さ・・・

      土が極端に固まっていませんか? 排水性が悪いところがありませんか? 作物が育つための環境をできるだけ良くしましょう。

    • すぐに結果はでないので、じっくり取り組むのが大切・・・・

      一般栽培から無肥料栽培に転換して、すぐに良い結果がでるということはまずない。

    • 何よりも心が大切!・・・

      愛情をもったお世話で、声(こえ)かけは、みえない肥え(こえ)になっている?作物と土壌は、農家の心を反映させている。




    無肥料栽培の実際


    良い特徴

    • 肥料代がいらない
    • 労力が減る(管理作業は通常どおり必要)
    • 収量が安定(施肥栽培の2~3割減)
    • 病虫害が減る。
    • 鮮度が長持ちする。

    • 土のにおいが無くなる?(過剰な有機物の発酵と腐敗がなくなる。森の土はくさくない・・・腐敗臭から放線菌主体に)
    • 気候の変動や異常気象に強い
    • 次第に雑草が少なくなる(雑草は主に土壌のアンバランスを整え、過剰肥料を吸収している)
    • 品質の良い農産物が収穫できる(形、味ともに)


    欠点 難しさ

    • 実施しても、すぐに結果がでにくい・・・自然を見る目が大切
    • 収量が不安定になる・・・転換から数年は極端な減少も
    • 実施者がすくなく、ノウハウや技術がまだ未確立
    • 土の力に結果が大きく左右されることがある
    • まだまだ、周囲には理解されにくい(結果が出ていれば問題ない)




    スマートな姿になる


    肥料で育った作物は大きく、葉がよく繁るから、実が影になって、花落ちが多く、収穫が少なくなる。大豆の場合、無肥料だと2倍近い収量があったという報告があります。必要最小限の土の力(養分)を無駄なく利用するために、余分な成長をしない。

    極端に無駄に茂らないから、風とおしがよく、病虫害が発生しにくい環境になる。



    本来の味

     スッキリとした味が特徴。さわやか美味。野菜本来の味。変なエグミや、苦さはほとんどありません。

     農産物は何を吸って大きくなったか?・・・吸ったもので味が決まる。

    • 化学肥料・・・味がない。舌がピリピリする感じ・・・化学肥料の味?
    • 有機肥料・・・美味しい=有機肥料の味。堆肥を使えば、堆肥の味。ミネラル、アミノ酸等が豊富に吸収されるので結構美味しい。動物性肥料(骨粉、魚粕・・・アミノ酸)を使うとコクがでる。それが美味しさになる。

    • 無肥料・・・自然の味。スッキリとした野菜本来の味。物足りない感じもする。








有機農法の、
  その先の世界

【無肥料自然栽培とは】


化学肥料・農薬はもちろんのこと、有機肥料(堆肥、米ぬか、油粕、魚粕、腐葉土等を含む)を一切使用せず、

土壌と作物そのものがもつ本来の偉力を発揮させることで作物を栽培する農法のことです。これからの農業がゆく、道しるべがあります。


この栽培方法は、もちろん無農薬です。放任農法ではありません。

※除草も、管理も十分に行います。 不耕起ではありません。耕します。


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与嶋靖智【飛騨高山よしま農園】